「新築ワンルームマンションオーナーになりませんか?」という営業電話を受けた経験はありませんか? サラリーマンであれば一度は受けた事がある新築ワンルームマンション投資の勧誘電話。渋谷区がワンルームマンションの最低占有面積を18m2から、28m2に引き上げたなど、近年規制が強化されてきている影響から開発が少し減少気味のワンルームマンションですが、いまだ様々な場所で新しいワンルームマンション開発が行われています。

また、銀行と提携し自己資金ゼロで出来ることや、確定申告などマンション経営のサポートなどサラリーマン・OL向けのサービスが充実していることもあり、新築ワンルームマンション投資市場はサラリーマンやOLを中心にいぜん活発です。

サラリーマン・OLとして働きながら節税や副収入を得られることもあり、一見魅力的な新築ワンルームマンション投資ですが、そんな魅力に取り付かれ、勢いで購入してしまったがために、多くの借金を抱えることになってしまったサラリーマン・OLの方も沢山いらっしゃるのも事実です。

今回はそんな新築ワンルームマンション投資で失敗しないためにも、知っておくべき購入の際の注意点をご紹介します。

新築ワンルームマンション投資市場は今後どうなるの?

東京都内ではワンルームマンションの規制(主に最低占有面積などの引き上げ)が強化された影響で、新規のワンルームマンションの開発数は減少傾向にあります。

そのため、今後この規制がより厳しくなっていけば、都内に新しく建つワンルームマンションの専有面積はいままでよりも大きいものとなることが予想されます。専有面積が上がれば、価格もその分あがるため、入居可能な層が限られて来てしまいます。

一方で、東京都が行った「東京都世帯数の予測」によれば、今後下表のように、東京都の単独世帯数は増加することが予測されています。

サラリーマンが新築ワンルームマンション投資で失敗しないために知っておくべきコト

いままでのような安価なワンルームマンションの減少と、東京都の単独世帯数の増加により、今まである安価なワンルームマンションへの投資は安全なように思えます。

しかし、実はそうやって安易に新築ワンルームマンションの購入を決めてしまい、失敗してしまうサラリーマンやOLがたくさんいらっしゃいます。では、一体新築ワンルームマンションを投資用として購入する際には何を注意すれば良いのでしょうか?

サラリーマンが知っておくべき! 新築ワンルームマンション投資に潜む3つの落とし穴とは?

実は新築ワンルームマンションの投資にはサラリーマンが陥りがちな次の3つの落とし穴があります。

・家賃は徐々に下落する
・新築は購入後すぐに価格が落ちる
・節税が出来るのは最初だけ

-1、新築ワンルームマンションの家賃は徐々に下落する

不動産投資の知識が無い人にとって「新築ワンルームマンションを購入し人に月12万円で貸せば、月々1万円の不労所得が得られて、なおかつ節税できるので収支がプラスになる。さらには、30年後にローンを完済した暁にはその不動産を売却して2,500万円の現金資産を手に入れられる。しかも自己資金ゼロで出来るんですよ」というセールストークは非常に魅力的です。

さらに今の若い世代は特に「自分達の時代は年金に頼れない」と将来に強い不安を抱いていることもあり、このようなセールストークで新築ワンルームマンションを購入してしまう人が多いのだそうです。

しかし、このセールストークの中には「新築ワンルームマンションの家賃は徐々に下落する」という、不動産投資をする上で考慮すべき重要な要素が抜けています。

たとえば、上の例で言えば、フルローン(全額融資)で銀行から金利3%で借りたと仮定すると、次のような条件でワンルームマンションを購入するということになります。

  • 不動産購入価格:2,500万円
  • 調達金利:2%(月額返済:9,0494円)
  • ローン年数:30年
  • 家賃:12万円
  • 表面利回り:5.76%
  • 経費:15%

この物件による年間の家賃収入は144万円(12万円×12ヶ月)です。その内年間の返済額と経費額を合わせると1,301,928円(21.6万円+1,085,928円)になります。

家賃収入から返済額と経費を引くと138,072円残りますから、これが年間の家賃収入になります。これを12ヶ月で割ると、約1万円程度の家賃収入が得られる計算になります。

この計算だけで考えると確かにあのセールストークの通りで魅力的かもしれません。しかし、新築の不動産の家賃がそのまま10年先も、20年先も同じということはあり得ません。

家賃は「立地」や「間取り」「広さ」「築年数」などによって総合的に金額が決まってくるため、一般的に新築物件の家賃は1年に平均で1%程度落ちると言われています。

また、新築ワンルームマンションの家賃はあくまで“新築”であるからこその家賃であって、一人入居して出て行ってしまえば、それは中古マンションに変わってしまいます。当然ながら家賃も周辺相場に合わせてどんどん下がって行くでしょう。

最初は」13.8万円あった利益も1年後には123,672円、2年後には、109,272円となります。そして10年もたたないうちに収支がマイナスになってしまいます。

この例は金利が安い分、まだ8〜10年ほどかろうじて収入を得られていましたが、金利が2%から3%に変動したり、空室が2ヶ月発生してしまったり、すれば最初から月2万円の持ち出しで不動産を運営していくことになります。

実は新築ワンルームマンション投資を行っている方は少なからずこのようなマイナス収支で続けている方が多いようです。

-2、新築は購入後すぐに価格が落ちる

いくら30年のローン完済後に2,500万円の現金資産が手に入るからといって、月々2万円の持ち出しは辛いものです。

かといって、この物件を早々に売却しようと思っても、実はもう1回入居者が入ってしまった時点で、実はすでに2,500万円では売れません。

築5年以内であったとしても、新築時の約70%程度の価格になってしまいます。これを知らずに購入してしまったら大変なことです。

さきほどの例で、月々2万円の持ち出しが辛いと売却を決意したところ、本人は2,500万程度が帰ってくると思っていても、実際に売却できた価格は1,750万円となってしまっては、購入者としては持ち出しと合わせて750万円以上の借金だけを背負ってしまう形になります。

この借金額を知って、売るに売れず、月々の持ち出しを続けている人も多くいると言われています。

なぜ新築ワンルームマンションはこのようなことが起きるのでしょうか?
それは、新築ワンルームマンションの購入価格には広告宣伝費用が含まれているからなのです。

どういうことかと言うと、ワンルームマンション開発を行った会社としては、広く宣伝をして不動産投資家や入居者を集めなければ赤字になってしまいます。そのために新築ワンルームマンションは最初に多くの宣伝費用をかけて人を集めます。その費用が購入価格にのっているため、このような価格下落が落ちてしまうのです。
また、価格が下落した後も経年劣化などにより徐々に不動産の価格は下がって行きます。そして、たとえ30年のローンを完済したとしても、その頃には築30年の中古ワンルームマンションになっています。これを売却したとしても2,500万円どころか、2,000万円の価格を大きく下回っているでしょう。

このように、新築ワンルームマンションの購入を考えているのであれば、購入後すぐにその価格は大幅に下落すると考えておいた方がいいかもしれません。

周辺の築2〜3年の同じくらいの条件の物件価格を参考に見てから「なるほど、ここまで下がる可能性があるのか」と考えてから改めて購入するかを判断する必要があります。

-3、節税が出来るのは最初だけ!

新築ワンルームマンション投資を持ち出し1〜2万円でもやり続ける理由は、節税のためといっても過言ではありません。

ワンルームマンションは、建物を経費として計上できるため、たとえ1〜2万円の持ち出してあっても、過払い分の税金が戻ってくるためトータルで見ると収支は黒字になっているのです。

しかし、実際、節税の恩恵が受けられるのは、登録免許税や不動産所得税など大きな金額が経費として計上できるためです。

そのため最初の数年は確かに節税対策として使えるようですが、以後は実際にかかってくる管理費、修繕費、固定資産税、都市計画税など、経費の方が大きくなってくるため、長期の節税対策としては全く使えません。

これを考えると、唯一のメリットであった節税での黒字もなくなってしまうため、もはやデメリットしかなくなってきてしまいます。

新築ワンルームマンション投資はやっちゃダメなの?

ここまで、サラリーマンが陥りがちな3つの落とし穴についてご紹介してきましたが、決して新築ワンルームマンションが悪いと言っている訳ではありません。

新築ワンルームマンションも「15年以上の長期保有」であったり「好立地により家賃の下落率や空室率が低い」など条件さえ揃っていれば、投資をしてもしっかり利益を上げることができます。

しかし、この判断をするためには、不動産投資に関する知識を最低限しかkり持っておく必要があります。自分で利回りや家賃の下落率、価格の下落率などをしっかりと考慮できて始めて投資が出来る様になります。

もしくは信頼できるメンターや不動産投資家からしっかりと目利きのポイントや損をしないノウハウを教わってからであれば、先ほど紹介したような事態に陥る事はありません。

確かに不労所得や、年金代わりの資産が自己資金ゼロで持てるというのは魅力的な話しではありますが、安易にやらずに、まずはしっかりと不動産投資の知識を学ぶことから始めてみてはいかがでしょうか。