投資の中でも1万円からという少額からでき、また投資の知識がほとんどいらずに低リスクでできるというメリットから、サラリーマンなどに人気の高い「投資信託」。しかし、実は投資信託は投資初心者が「お金を増やす」ことに向いていない金融商品なのです。そのため初心者が投資信託でお金を増やすことは非常に難しいのが現実であり、初心者におすすめできない投資方法と言えるでしょう。ここでは、なぜ元メガバンク社員である私が投資信託を初心者におすすめできないのか、その7つの理由をご紹介します。

そもそも投資信託ってどんな投資?

「投資信託がなぜ1万円という少額から出来るのか?」と疑問に思ったことはありませんか。
投資信託とは、各投資家からのお金をひとまとめにして、運用専門の会社が国内外の株式や債券などに分散投資。そこから得た運用利益を投資家の投資額の割合に応じて分配する仕組みの投資方法です。

そもそも投資信託ってどんな投資?

そのため、少額からでも出来てしまうという訳なのです。たとえば「年間7%という高利益が期待できる商品ですが、その分元本割れのリスクも高い商品です」「元本割れのリスクは少ないですが、年間3%と利益も低い商品です」など、許容リスク、そして得たいメリットなど、比較的投資初心者にも分かりやすく説明された商品の中から、選べるというのも「投資信託」が初心者におすすめされている理由の一つです。

また、リスク分散の意味でも、様々な投資先に分散して投資をする“分散投資”という考え方は投資の世界では需要になってきます。

投資信託では、これが商品を買うだけで自動的にできてしまうという点も投資信託が初心者におすすめされている理由の一つです。

-1、なぜ、低リスクで出来るのか?

「投資信託」は何より低リスクな投資であることが人気の理由です。なぜ他の投資と比べると低リスクで出来るのかと言うと、みなさんではなくプロの運用者が運用するからということに尽きると思います。
「投資信託」という言葉の通り、運用のプロを信じて投資を託すからこそ、投資の知識のないみなさんでも大損をすることなく、比較的安心して投資ができるというだけなのです。

私が投資信託を投資初心者におすすめしない3つの理由

私が投資信託を初心者におすすめしない理由は次のように3つあります。

  • リターンに対してのコストが割高
  • 投資信託で「お金を増やそう」と思ったら、ある程度の投資知識が実際は必要
  • 元本割れのリスクがある

たとえば次の説明を見てみなさんは「投資信託」にどのようなイメージを抱きますか?

私が投資信託を投資初心者におすすめしない3つの理由

これはよくありがちな投資信託の商品ですが、月々2万円を投資信託に積み立てることで、40年後にはその積み立て総額960万円が、利回り最低の5%であっても2899万円になります。運用利益がなんと1939万円です。
これだけを聞くと「積立式の保険よりも全然いい」と思ってしまいがちです。しかし、実際得られる運用利益はそれほど多くはありません。なぜなら目には見えないさまざまな手数料がかかっているからです。
むしろ、プラスマイナス0であったとしても、その手数料が引かれて損をしてしまうケースも珍しくありません。

このようにいくら低リスクで投資初心者におすすめな魅力的な投資に見えたとしても、それは銀行が利益を上げるための、単なる商品にすぎないということなのです。

-1、リターンに大してのコストが割高

これは、投資信託を投資初心者におすすめしない最大の理由です。投資信託は、次のように、販売会社から銀行、銀行から運用専門会社、など間にさまざまな組織が介入している関係で、運用にかかる手数料が非常に高い投資なのです。

投資信託コスト

たとえば、シンプルな投資信託であっても、次のようなコストがかかってきてしまいます。

投資信託コスト

例えば年24万円を1年間、先ほどご紹介した年利5%の投資信託に積み立てるとしましょう。

するとまず24万円の商品購入時に「販売手数料」として1~3%(※ここでは3%として計算する)がまず引かれます。

240,000 – 7,200 = 232,800(円)

まずこの時点でマイナス7200(円)という損をした状態から始めなくてはいけません。
次に購入して運用中にかかってくるのが「信託報酬」です。相場は0.5〜2%程度です(※ここでは最大の2%で計算します)これがかかってきてしまいます。

年利5%により240,000円は252,000円(元本より+12,000円)増えていますが、ここから「信託報酬」2%を差し引くと次のようになります。

252,000 – (240,000 × 0.02) = 247,200円

この時点でまだ購入時の24万円から見るとプラス7,200円となっています。もし一年後に解約したとすれば、さらにここから「信託財産留保額」という解約金が0〜2%程度差し引かれます。(※ここでは最大の2%で計算する)

247,200 – (240,000 × 0.02) = 242,400円

1年間24万円を運用して、24万2,400円で帰ってくるということは、プラスわずか2,400円という結果になります。

もちろんここから追加で年間24万円を購入していくことで、この運用利益は徐々に大きくなります。しかし、この記事の例を見ても分かる通り、最初は12,000円あった運用利益が手数料によって2,400円まで下がってくるのです。

このように得られるリターンに対して手数料が割高であるため、「お金を増やす」ことを考えると、あまり旨味がなく、あまりおすすめできません。

-2、投資信託はある程度の投資知識が必要不可欠

次に私が投資信託を投資初心者におすすめできない理由が「投資の知識が必要であるということです。

これは株や為替のシステムを考えてみると分かりやすいです。

例えば1株1,000円の株を20株購入したとしましょう。そして、1年後投資した企業が急成長し、1株が2,000円まで上がったとすれば、その時点で売却することによって約20,000円分の利益を得ることが出来ます。

このように「安いときに買って、高くなったら売って売却利益を得る」というのが株や為替で「お金を増やす」仕組みです。

その点は投資信託であっても同じです。運用のやり方などはどうすることもできませんが、商品の買い時と売り時は投資家自体が決めることがカヌです。

そのため、その両方を分かっていなければ、あまり投資信託をやるメリットはないと言えるでしょう。

また、この買い時や売り時はある意味ブラックボックス化されたノウハウである場合が多いので、情報を得にくく、また得たとしてもチャートからそれを判断する投資の知識が必要不可欠です。

これらの理由から、確かに投資信託は初心者でも、知識がなくてもできる投資ではあるが、投資信託でお金を増やそうと思ったらある程度の投資の知識が必要だということが分かっていただけるのではないかと思います。

-3、元本割れのリスクがある

いくら投資信託が、低リスクと言えども、商品によっては高利益率、高リスクの商品もあり「投資信託をしたはいいが、お金が減ってしまった」というケースも決して珍しくはありません。

投資信託は、運用をプロが行っているというだけであり、やっていることは国内外の株式や債券などへの投資です。

たとえばアメリカのトランプ大統領が当選した時に米ドルの価値が大暴落しました。また、リーマンショックや金融危機など、予測が難しい株価や為替の大きな変動によって、元本がそっくり無くなってしまうなんてことも珍しくありません。

このように、投資信託はプロがやっているというだけであって、社会情勢の大きな変化によって、元本割れ、また元本がなくなってしまう可能性もある投資なのです。

投資信託は長期目線で分散投資の一つとして使う

これまでご紹介してきた通り、投資信託は「リターンの割にはコストが割高で旨味が少ない」「投資の知識が必要不可欠」「元本割れのリスクがある」といった3つの理由から、初心者が始めて行う投資としてはおすすめできません。

しかし、必ずしも投資信託が悪いという訳ではありません。投資信託は運用のコストは高くとも、運用をすべてプロに任せられたり、1つの商品で多くの分散投資ができ、リスクヘッジにつながることもあります。

また、中には素晴らしい商品がたくさんあるのも事実です。

そのため、もし投資信託をこれからやろうというのであれば、本当に低利回り、低リスクの商品を長期的に運用していくといったやり方で、定期預金代わりのように分散投資の一つとして使うと良いのではないでしょうか。